うつには辛い「クリスマス&お正月」。なるべく触らず乗り切ろう。

うつ病になってからの私は、ほとんど毎日家にいる生活をしている。専業うつだし、働いていないし、病院以外は決まった予定がない。

平日は仕事をして週末はお休みになる皆さんのように、オンオフの切り替えがない。毎日うつだし、毎日がお休みだ。

そうすると一見、今日が何曜日かはあんまり関係がないように見えると思う。

でも、私にとって、月火水木金と土日祝は明らかに「気分」が違う。休みの日になるとホッとする。少し安心するのだ。

たぶんその理由は「世間の大多数の皆さんも休みの日だから」である。その裏には、自分がうつ病で休んでいることを非常に後ろめたく思う気持ちが隠れている。(よく考えると土日祝も働いている人はいるのだが、うつで視野が狭くなっている私は、そこまでは頭が回らない)

内科や外科の病なら、治るまで休むのも致し方ない、と思える。でも、いつ治るか分からないうつで毎日休んでいるのはどうなのよ、と自分で自分を責めて不安になるのだ。

みんなが働いているのに、私は休むことしか出来ない。

そんなふうに考えて、平日の私は勝手に肩身の狭い思いをしている。

だから、皆さんも休んでいる休日は、自分も安心して休んでいてもいいような気がするのだ。カレンダーの「土日祝」は心置きなく休んで良し、とお墨付きをもらったような気分になる。

この思考システムは、「夜中」にも同じことが言える。夜中なら「みんなが活動していないから」少し安心していられるのだ。(これもまた夜中も働いている人はいるのだが、うつで視野が〜以下略)

みんなが休んでいる時は、自分も休んでいい。そんな「世間の皆さんに引きずられる安心思考」であるが、これには大きな落とし穴がある。

世間の皆さんが休んでいる時に安心する、ということは逆に、世間の皆さんが積極的に活動している時は、極度の不安に襲われる、ということなのである。

その最たるものが「クリスマス、大晦日、お正月」という、怒涛の国民的行事連発のフェスティバル期間である。

最近では11月からクリスマスへ向けての盛り上がりが始まる。クリスマスが終わったらすぐに大晦日からのお正月。新年ムードが抜けるまで、と考えると、このフェスティバル期間は約2ヶ月半近くも続くのだ。

11月になると、街はクリスマスムードときらめくイルミネーションに包まれる。どこに行ってもあるクリスマスツリー。BGMもクリスマス。テレビを付けてもCMがクリスマス。日本中がクリスマス状態で、12月24、25日でクライマックスを迎える。人々は笑顔でパーティしたり、プレゼントを贈り合ったりする。恋人や家族と、美味しいディナーを食べに行ったりする。

クリスマスが終わったら、すぐさま大晦日、お正月である。年賀状を書き、大掃除をして、除夜の鐘を聞く。ハッピーニューイヤーに向けてのカウントダウン。おせち料理を食べたり、お酒を飲んだりして、新年を祝う。テレビはお正月特番が目白押し。みんなで初詣に出かけ、今年の幸せを願う。

――楽しくて幸せな時間。

病気になる前は、クリスマスも大晦日もお正月も、どれも大好きなイベントだった。

でも、うつ病の私には、どれもこれもビッグイベント過ぎて、立て続きすぎて、めちゃくちゃハードルが高すぎるんである。敷居が高い。見ているだけで辛い。

世間の盛り上がりに反比例して、気分がどんどん滅入っていく。楽しそうな気配がするのに、楽しむ気力がない。やらなければいけないことがいっぱいあるのに出来ない。何も出来ないのに焦る。クリスマスソングを聞いただけで、うつのスイッチが入る。お正月も全然めでたくない。

うつ病になってから毎年、この期間はひっそりと過ごした。テレビも付けないし、極力出かけない。12月24日も、12月31日も、1月1日も、普通の平日のように過ごした。

このフェスティバル期間の、うつの乗り切り方は

「なるべく近づかず、そーっと過ごすこと」

しかない。触らぬ神にたたりなし、というやつである。何かと賑やかなこの時期、うつ患者の皆さんが、静かに心穏やかに過ごせるといいなと思っている。

うつ病発症から5年目の2016年冬、今年の私は、テレビでクリスマス仕様のCMを見たり、喫茶店でクリスマスソングを聞いたりしても、「もう、そんな時期かー」くらいは思えるようになった。思うだけで何もしないが、以前よりはずっと気楽に過ごせるようになった。

今はクリスマスやお正月が怖いうつ患者さんにも、いつかきっと、そんな日が来ると思う。それまでは、そーっと過ごすのがいい。